夜の音楽ばこ
そこは 街の 一角にある ちいさな まっくろい箱
まいにち ながれる 音楽は
木の ひびき を つたわって
箱が ちいさく ゆれたのです
しぼんだり ふくらんだり
けっして 閉鎖的には ならないように
窓は いつも あけて おきます
靴のおと 話し声 自転車のベル
おしりは いたく ありませんでしたか
音楽は たのしめましたか
かえるころ どんな おかおを していましたか
まいにち 心配な こと は たくさん ありましたのですが
よろこびが ひとつでも さいていたら
よかった と 素直に わらいましょ
ずいぶんと かんたん な 言葉に
なってしまいますが
ほかの 言葉が みつからないのでした
ありが
と
う